安易な抜歯はいたしません。
歯の大切さを誰よりも分かっているのは私たちなので。
しかし、ケースによっては抜歯を選択した方がよい場合もあります。
その際は、しっかり理由を説明し抜歯のご提案をいたします。
様々な要因を検証し、抜歯・非抜歯のご提案をさせて頂いておりますが、当院では「可能な限り」非抜歯での矯正をご提案しております。
非抜歯をご提案する大きな理由は「抜歯矯正をすると治療期間が延びてしまう」ことがあげられます。
抜歯をするということは、その歯がなくなった部分の隙間を埋めるため、その他の歯を抜歯しない場合と比べ大きく移動させる必要がでてきます。そのため、どうしても治療期間が延びてしまうのです。
もともと治療期間が長くなってしまう矯正治療。
抜歯をすることで更に治療期間が延びてしまうことは、できるだけ早期に歯並びを改善したい患者様にとって苦痛以外の何物でもありません。
このような理由から当院では可能な限りの非抜歯での矯正をご提案させて頂いております。
しかし、どの症例でも非抜歯にするわけではありません。
無理に非抜歯矯正を遂行した場合、下記のような問題が生じることがあります。
無理な非抜歯矯正は、「出っ歯」と一般的に呼ばれている「上顎前突」になる可能性もあり、審美性を大きく損ねてしまうこともあります。
これは歯を並べるスペースが足りないのに、無理矢理歯を並べようとすることで起きてしまう現象です。
イメージしやすい例としましては、3人掛けの椅子に、4人座ろうとした場合に似ています。
座ろうとすればなんとか4人座ることが出来ますが、部分的に無理が生じますので、どこかが盛り上がってしまいます。これは矯正も同様です。
患者さんの歯並びの状態をシッカリ把握し、できること・できないことを正しくお伝えすることが大切と考えています。まずはご相談ください。
それでは「非抜歯で対応可能」と判断した場合、どのような治療法でそれを可能にするのかをご紹介させて頂きます。方法は2つあります。1つは「拡大法」という方法。もう1つは「ディスキング」という方法。非抜歯で対応する場合、どうしても歯を並べるためのスペースを確保する必要がありますので、そのスペースをどのように確保するかで治療法が異なります。それぞれご紹介します。
多くの歯がばらばらに並んでいる場合、それだけで歯を並べるためのスペースが無駄に使われていることになります。そのため、それぞれの歯を適切に並ばせることで無駄なスペースがなくなり、歯を並べるためのスペースが確保できるようになります。下の画像が「拡大法」を行うことで非抜歯で歯を並べたケースになります。
治療内容 | 矯正治療により歯並びを改善した症例 |
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費用 | ¥58.3万円(税込) |
リスク | 歯根吸収(歯の根が短くなる症状)、歯肉退縮(歯肉が下がる症状)、アンキローシス(歯と骨が癒着し歯が動かない症状)、知覚過敏、歯周病(歯肉炎など)、口内炎などの口内裂傷 |
この治療法は歯(エナメル質)を少しだけ削り、歯を動かすためのスペースを確保する治療法です。エナメル質は1~2mmの厚みがあります。そのうちの1/3(0.3mm~0.6mm)程を削ります。健康な歯を削ることに抵抗がある方も多いと思います。確かに削らないに越したことはないのかもしれませんが、エナメル質の削除量をきちんとコントロールすれば、ほとんどリスクはない治療法です。
歯並びが悪くなる原因は「顎の骨に歯が適切に並びきらない」ために起こります。つまり、顎の骨の幅を自由にコントロールできるのであればそもそも大がかりな矯正治療は必要ありません。
実は、小さい頃の時期であれば、人為的にこのコントロールが可能になります。子供は大人と異なり、まだ成長段階にあります。これは「顎の骨」に関しても同様ですので、その成長を人為的に適切な方向へ誘導させることでバランスのとれた歯並びに近づけることが可能になります。ケースによっては大人の矯正治療も必要となることもありますが、比較的簡易的に、そして非抜歯での対応が可能になります。詳細はお子様の矯正治療をご参照ください。
これまで非抜歯に関してお話ししてきましたが、非抜歯でできるか否かは、ドクターによる事前診断の精度にかかってきます。
無理な症例でも「非抜歯で出来ます!」と言ってしまい、後日トラブルになってしまっている医院さんも存在しますが、矯正の目的は「非抜歯での治療」ではなく、「正しい噛み合わせとバランスのとれた歯並び・顔貌の獲得」ですので、その点を考慮した上で患者様自身も判断して頂けたらと思います。
当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんな事でも構いませんので、私達にお話しして頂けたらと思います。 ご興味がある方は下記からお問い合わせください。